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クラニオセイクラル バイオダイナミクス

呼吸の風が吹き抜ける。血液や体液が流れていく。神経系を伝う電磁エネルギーが囁き合い、時々スパークする。無数の細胞が生まれ死んでいく。ひしめく微生物たちのおしゃべりが聞こえる。すべてを含む微細な量子エネルギーがゆったりと波を広げ、また返す。いつかの記憶が緊張をまとってうずまき現れ、また溶けていく。身体という場では、さまざまな次元、時間軸にある生命の活動がオーケストラのように響き合い、存在というひとつの宇宙を紡いでいます。一人ひとりまったく違うユニークなハーモニー。そこにただ耳を傾けると、身体の叡智が輝きはじめ、自然に、ダイナミックに、全体性の調和の中に還っていく。それがそのまま治癒のプロセスです。それが、わたしが感じている命の活動です。

生きることが、回復プロセス。

身体は、いつも自然な回復のプロセスの中にあります。風邪を治し、傷を癒やし、どんな状態の時でも、たとえ深い病の時であっても、いまこの瞬間の最適な健康へと向かっています。その叡智の深さ、複雑さ、ユニークさ、多元性は、日常的な意識ではすべてを知ることは到底できないと感じます。その人だけの、いまこの瞬間だけの、独創的なプロセスが、立体的に複合的に、時間軸を超えて起こっています。すべての命の営みがまっとうされるように、原初の思いのままに在れるように、その存在全体を支えています。